ヨガスートラ第一章5節

ヨガスートラ(Yoga Sutras)は、古代のヨガ哲学の重要なテキストで、スリ・パタンジャリ(Sri Patanjali)によって書かれました。

第1章の5節は以下のようになっています(サンスクリットの原文と英語の翻訳)

サンスクリットの原文

वृत्तयः पञ्चतय्यः क्लिष्टाक्लिष्टाः॥५॥

英語
vṛttayaḥ pañcatayyaḥ kliṣṭākliṣṭāḥ||5||

カタカナ

ヴリッタヤハ パンチャタイヤハ クリシュタークリシュターハ

意味

この節の翻訳について、一般的に言われている意味は次の通りです。

この節は、ヨガの実践が喜びと苦しみへの執着を軽減する方法を示唆しています。

ヨガの目的は、心と身体の調和を取り、内面の平穏と精神的な自由を追求することであり、この節はその道の一部を説明しています。

直訳すると

心の働きは5種類あり、苦しみをもたらすものと、もたらさないものがある。

パタンジャリのアシュタンガヨガ

パタンジャリのアシュタンガヨガは、古代インドの哲学者であるパタンジャリによって確立されたヨガの体系です。

アシュタンガヨガは、精神的な安定と肉体的な調和を追求するための8つのステップから成り立っています。

これらのステップは以下の通りです。

  1. ヤマ(倫理規範):暴力、不正、欲望、嘘、貪欲などの負の行動から遠ざかることを意味します。
  2. ニヤマ(個人的規律):純潔、満足、自己研鑽、自己犠牲など、良い行動と品行を養うことを指します。
  3. アーサナ(ポーズ):ヨガのポーズや体位を通じて身体の調和と健康を追求します。
  4. プラーナヤーマ(呼吸の制御):正しい呼吸法を学び、エネルギーの調整と制御を行います。
  5. プラティヤーハーラ(感覚の制御):感覚器官を制御し、外部刺激に対する反応を抑えます。
  6. ダーラナ(集中力):意識を一点に集中させ、内面の平静を追求します。
  7. ディヤーナ(瞑想):深い瞑想状態に達し、自己の本質を理解します。
  8. サマディ(啓示):最終的な目標であり、真実や宇宙の本質を理解し、精神的な解放を得ます。

アシュタンガヨガは、身体と精神の健康を促進し、内面の成長と調和を追求するための総合的なアプローチです。

アサナの練習は8つのステップのうちの一つ

ヤマ、ニヤマを意識して実践する事も重要です♡

ヨガスートラ 第1章4節

ヨガスートラの第1章4節(Sutra 1.4)は、次のように記述されています

“वृत्तिसारूप्यमितरत्र॥४॥”

ローマ字

“vṛttisārūpyamitaratra”

カタカナ

ヴリッティサールーピャミタラトラ

単語

「vṛttisārūpyam」

(心の活動が本質と同じである)

「itaratra」(他の場合において)

意味

このスートラは、通常、心の活動や思考が私たちの本質とは異なるものであることを指摘しています。

ヨガの目的は、心の活動や思考の乱れ(vṛttis)を静め、本来の純粋な本質にアクセスすることです。それによって、我々は内面の平和と調和を実現し、真の自己を発見することができます。

このスートラは、ヨガ実践者に対して、心の波動や思考の乱れから離れ、本質的な純粋性にアクセスする方法を模索するように促しています。

ヨガスートラ 第1章3節

「ヨガスートラ」は、古代のヨガ哲学のテキス

トで、パタンジャリによって編纂されました。

第1章第3節

サンスクリット語

तदा द्रष्टुः स्वरूपेऽवस्थानम्॥३॥

ローマ字

Tadā draṣṭuḥ svarūpe’vasthānam॥3॥

カタカナ

タダー ドラシュトゥフ スヴァルーペーヴァスターナム

「そのとき、観察者(ドラシュツ)は自己の真の本質(スヴァルーペ)に安住する。」

この節は「ヨガスートラ」の第1章(サマーディ・パーダ)の中で、ヨガの実践における重要な概念である「スヴァルーペ」(真の本質)に言及しています。

ヨガの目的は、個体の真の本質を認識し、その本質に安住することです。

この節では、ヨギが瞑想や内省などの実践を通じて、自己の本質を理解し、それに基づいて平和と調和を見出す過程が説明されています。

ヨガをしながら、自分に自分で質問するようにすることからはじめ

崇高な道にいずれ近づいていけるように思います。

ヨガスートラ 第1章2節

(Sutra 1.2)

サンスクリット語

“योगश्चित्तवृत्तिनिरोधः॥२॥”

ローマ字

“yogaś-citta-vṛtti-nirodhaḥ”

カタカナ

ヨガシュ・チッタ・ヴリッティ・ニロダハ

内容

ヨガスートラの第1章2節(Sutra 1.2)は、ヨガの要点を分かりやすく説明しています。

このスートラでは、ヨガの目的や実践方法について触れられています。

要するに、このスートラは「ヨガは、心の波動をコントロールし、鎮めることです」と言っています。

つまり、ヨガの目的は、私たちの心が落ち着いて、平穏な状態になることです。

ヨガを実践することで、私たちは心の乱れや乱れた思考を静め、自己探求の旅に出ることができます。

このスートラは、ヨガの基本的なアイデアを伝えるための出発点であり、心の平和と内なる成長を求める人々にとって、ヨガの本質を理解するのに役立つものです。

ヨガは身体の柔軟性だけでなく、心と精神の健康をもたらす素晴らしい方法として知られています。

ヨガスートラの第1章1節(Sutra 1.1)

サンスクリット語

“अथ योगानुशासनम्॥१॥”

ローマ字

“atha yoga-anushasanam”

カタカナ

アタ ヨガ アヌシャーサナム

意味

このスートラはヨガスートラ全体の始まりを示し、一般的に「ヨガの教えが始まる」という意味です。

“अथ”(”atha”)はサンスクリット語で「今」や「ここから」を意味し、「ヨガアヌシャーサナ」(”yoga-anushasana”)は「ヨガの教え」を指します。

このスートラは、ヨギやヨガ実践者に向けて、ヨガの教えや指針が始まることを示唆しており、読者に集中し、ヨガの学びに注意を払うよう促しています。

ヨガスートラ全体はパタンジャリによってまとめられたもので、ヨガ哲学と実践に関する重要なテキストです。

この最初のスートラは、ヨガの道の始まりを象徴し、深い内省と理解に導く役割を果たしています。