福島・喜多方の新宮熊野神社長床(国重文)に立ち寄りました。
パンフレットには長床は拝殿と記されていますが、村落社会の必要に応じた信仰的空間として提供されてきたことなど、長床が拝殿とは異なる用途と機能性を保有してきた独特な建築空間であったと感じます。
内外には壁は一切無く、断面寸歩の大きな長押と脚固めで剛性を保っている。




福島・喜多方の新宮熊野神社長床(国重文)に立ち寄りました。
パンフレットには長床は拝殿と記されていますが、村落社会の必要に応じた信仰的空間として提供されてきたことなど、長床が拝殿とは異なる用途と機能性を保有してきた独特な建築空間であったと感じます。
内外には壁は一切無く、断面寸歩の大きな長押と脚固めで剛性を保っている。
本日は
尼崎市の、第10回街角チャーミング賞の授賞式に(株)いなほ工務店の本社長と出席。
まちかどチャーミング賞は、美しいまちの景観を「つくる」、「まもる」、「そだてる」をキャッチフレーズに、都市美の形成に著しく寄与すると認められる優れた建築物等や活動団体を表彰する事業です。
講評は
「市内では貴重な緑豊かな里山地域に繋がる、
緑豊かで、地域コミュニティの形成した計画」
稲村和美市長からは
「宅地化が進む中、緑豊かな計画は今後不可欠な取り組み。
こういった手法が繋がっていく事を望みます」と
住まいを創ると同時に豊かなで良好な街並みを創設した計画に携われた事にとても感謝しております。
施工:(株)いなほ工務店
設計: (株)半田設計事務所 担当 久保潤一(現 スタジオ・あさか)
授賞式会場の尼崎市役所は
設計 村野藤吾 1962年
取手のデザインも氏のものであろう?
築32年の鉄骨ALCの4階建ての住居。
息子夫妻が同居の為、二世帯住宅にスケルトン改装を計画中。
現在個室の並ぶ階をLDKとベットルームに。
鉄骨造ならではの構造計画と余裕のある階高で室内の設えは自由自在。
木造住宅でも将来を見据えた計画が大切で、それは実現できます。
外周壁に耐力壁を集約し、高い耐震性と温熱性能を確保する住まい。
内部のプランは自由自在だ!
淡路島 本福寺・水御堂 安藤忠雄 1991を訪ねた。
暗い屋内、格子の間を透過する外光を取込み、浮かび上がる光景。洛陽前の西陽と、ベンガラ色の格子を透過する光を受ける。極楽浄土の世界観。
国宝・浄土寺浄土堂 1197もそれと同じ。
極楽浄土というわけでは無いが、同じく西陽をうけ、べんがら色の格子戸越しにテラス、庭、そして隣家の庭を借景する暮らし。
武蔵の家 2021
淡路島へ。小屋が点在する風景。町中に数棟並びや畑の中に点在するもの、様々なタイプがある。どれも壁は風通しが良さそうに透け透けです。なんの為?
淡路島は玉葱の名産地でしたね。収穫した玉葱を干す為の小屋なのですね。収穫時期、玉葱がいっぱいに吊るされる時期に尋ねてみたい。
香川へ
丹下健三を訪ねた。
香川県庁舎(1958)、旧香川県立体育館(1964)
県庁は耐震改修を行い隣地に新庁舎と繋がり利用されている。
一方体育館はバレーボールの公式戦では使えない天井高が仇となったか
解体か?保存か?なのだと
屋根を剥がし、屋外施設として利用しようという案も出ているようです。
オリンピックで脚光を浴びたスケートボードのパークとか、、、、
時代とともに環境は変わります。
その変化に対応できていく建築や人々の思考が大切ですね。
今年は酷暑の少ない夏のようで助かります。
それでも日中は37℃を超える気温。
北側の玄関ドアに自作の木製網戸を設え、隣接の個室の間仕切壁を徹去しました。(徹去の傷跡補修はこれからです)
随分と風の通りがいいですし、明るくて、緑も綺麗です。
夜間から早朝は外気を取り込み、日中は窓を閉め外気の遮断と日射遮蔽でエアコン稼働無しでも過ごせます。
この夏玄関先は気持ちが良く、私と猫2匹の寝場所となっているのです。
防犯、突然の降水対策をしっかり行い、夜間通風が出来る建築計画をお勧めします。
出来るだけエアコンに頼ることなく、無理なく過ごせる暮らしはいいものです。
浄土寺浄土堂を訪ねました。
兵庫県小野市
1192年創建
建築は重源、三体の立像は仏師、快慶の作
境内は石段を20段程上った高台にある。
北西の方向から左右どちらかへ迂回し、東又は西の石田を上り境内に入るアプローチです。東の石段を上がると浄土堂の屋根瓦が目に入る。
柱間18尺の3間角の方形、屋根には反りは無く、破風板が水平に廻る。
四隅だけが扇化粧垂木。
堂内に入ると三体の立像と朱色の柱梁が目に飛び込む。これほど美しい仏像は見たことが無い。
通常は格子越しの陽光での堂内だが、この日は京大研究者の撮影中と重なり西面全てを開け放った堂内を体験出来た。高台の立地、西に遮るものは無く陽光の全量を背で受ける阿弥陀像。そして朱色が輝く。
天秤登梁で母屋を受けている小屋組の工夫は見事です。
住職とも少しお話する事も出来た。
国宝認定となる前の荒れた堂内での事、近所の80代の方々が良く語るのは、「ガキの頃は虹梁によじ登って良く遊んだヨ」と
京都・山崎、聴竹居(1928) 藤井厚ニ設計を訪ねました。
室内は中央の居間から各室へアプローチ出来る今ではごく普通の平面計画。居間と繋がるのは玄関ホール、客間、広縁、読書室、台所、食堂。食堂は食い込む様に居間と繋がる。居間と外部が直接繋がるのはクールチューブのみである。だが、窓の無い室とは全く感じられない。それぞれの室は建具や欄間などの開閉により開いたり閉じた出来る。明かり、風、陽光が向こうの部屋、隣の部屋、そしてこの部屋へと自由に巡る。
窓からの風景も窓の開け方、閉じ方の具合で景色の見え方や窓の格子のデザインが変わるのです。飽きることのない設えに感激しました。
一方で最新の危機を導入し、オール電化で暖房、スイス製の冷蔵庫も導入。電力使用量はかなりのものであったと、、、、
一屋一室という藤井厚ニの考え、環境との共生を計画したこの住まい。現代の暮らしにも取り入れたいですね。断熱・気密性能も上がった現代の住まい。そこにパッシブな考えを取り入れてあげれば小さな能力の冷暖房設備で十分暖めたり、涼しくすることは可能になっています。
環境とは熱とどう向き合うか。
そういえば熱(仕事)単位の語源ともなっている
スコットランドのジュールも藤井と同じ造り酒屋の次男というのは偶然でしょうか?
山梨県、富士北麓に建つ十数年の月日を経た住まいです。(富士山の見える住まい)https://studioasaka.com/works/fujisan/
外装の杉材が程よく風化し、周辺環境とマッチしています。建設時に薪ストーブ用にと拾ったどんぐりから育てたコナラは屋根の棟を越えるまで成長しています。周辺環境を読み取り、容を決め素材を選ぶかがとても大切だと実感しています。日常の生活感もしっかりと受け止めているようです。
設計監理:スタジオ・あさか Inc.