富士山の見える家

旧家は富士北麓の山間いにある集落にありました。道路から母屋までの通路脇には畑や、かつての牛舎があります。母屋は大きな栗の木の脇に建っています。(写真では栗の木は落葉している)母屋の裏には水路が流れていいます。谷筋の集落は山から湧くこの水路沿いにあり、生活水として利用していました。今では上水道も完備され水路は生活水として利用されていません。他の住人は日照条件の良く、明るく、乾いた土地へと移り住んでいきます。この家の家族も同じように高台へと移りました。

玄関を開けると大きな土間があり、脇には竈がある。
高台に建てた住まいです。3世代が暮らします。
上棟には親戚たちがそろい手伝います。
薪ストーブの薪は家族で手入れしている里山から調達します。
大黒柱はイチイの木です。旧家の生垣に長らく立っていた木です。新たな住居の為に小屋の中で数年間自然乾燥させていました。

建物が完成後、年月を重ねると苗木だった木々も木陰を創るぐらいに育ち、外装の杉板も良い感じに風化しています。月日というのは素材や環境に味わいを加えるのだなと実感しています。どんな素材を用いて、どういう環境を整えるかとても大切な事です。