第6回:閉経後の栄養と食事のポイント

― 骨と血管を守るために、いま意識したい食事 ―

閉経後の体は、ホルモンの変化によって「骨」と「血管」に大きな影響を受けやすくなります。
エストロゲンの減少は、骨密度の低下や動脈硬化の進行に関係しており、これまでと同じ食生活では不十分になることもあります。

この回では、閉経後の体を内側から支えるために、特に意識したい栄養素と食事の考え方を整理します。


骨密度を維持するために必要な栄養素

閉経後は骨の吸収(壊れるスピード)が速くなり、骨粗鬆症のリスクが高まります。
そのため「カルシウムだけを摂れば良い」という考え方では足りません。

意識したいのは次の組み合わせです。

  • カルシウム
    骨の主成分。乳製品、小魚、大豆製品、青菜など。
  • ビタミンD
    カルシウムの吸収を助ける。魚類、きのこ類、日光浴も重要。
  • ビタミンK
    骨にカルシウムを定着させる働き。納豆、葉物野菜。
  • たんぱく質
    骨の土台となる。肉・魚・卵・大豆をバランスよく。

「食事+日常的な体の使用(歩く・立つ)」が揃ってはじめて、骨は維持されます。


心血管疾患予防に役立つ食事の考え方

閉経後はコレステロール値や血圧が上がりやすく、心筋梗塞や脳卒中のリスクが増加します。
ポイントは「減らす」よりも「質を変える」ことです。

  • 脂質の質を見直す
    動物性脂肪を減らし、魚・オリーブオイル・ナッツ類を意識。
  • 食物繊維を増やす
    野菜、海藻、豆類、全粒穀物は血糖・脂質の安定に有効。
  • 塩分を控えすぎない工夫
    出汁や香味野菜を使い、味覚を活かす。
  • 血糖値を急激に上げない
    早食いを避け、主食・主菜・副菜を揃える。

極端な制限食よりも、長く続けられる整った食事が血管を守ります。


「頑張る食事」から「支える食事」へ

閉経後の食事は、何かを我慢するものではありません。
体の変化を理解し、「今の自分を支えるための選択」に変えていくことが大切です。

  • 完璧を目指さない
  • 毎日でなく、週単位で整える
  • 食事と体の感覚を切り離さない

体は、丁寧に扱えばきちんと応えてくれます。


次回は(最終回):閉経を前向きに捉えるためにをお伝えします。