
B.K.S.アイアンガーの『ヨガの樹』を読み進めるうちに、ヨガの本質が単なるポーズの習得ではなく、心と体の深いつながりを育むものだということを改めて実感しました。本書は、一度読んで終わるものではなく、実践を重ねるごとに新たな気づきをもたらしてくれる本だと感じます。
今回は、この本を読んで「これから実践していこうと思うこと」と、「繰り返し読んで再発見し続けるだろう」と思ったことについて書いていきます。
① これから実践していこうと思うこと
1. ヨガの「根」を大切にする – ヤマ・ニヤマを日常生活で意識する
ヨガの樹において、ヤマ(禁戒)とニヤマ(勧戒)は根の部分にあたります。本書を読むまで、ヤマ・ニヤマの実践については「ヨガの哲学」として理解しているつもりでしたが、それを日常の行動レベルで意識できていなかったことに気づきました。
• アヒムサ(非暴力) – 自分に対しても優しくする。無理な練習をせず、体の声を聞く。
• サントーシャ(知足) – 「もっと上手くなりたい」と思う気持ちと、「今の状態を受け入れる」気持ちのバランスを取る。
• スワディヤーヤ(学習) – ヨガの哲学や身体の使い方を、継続して学び続ける。
これからは、ヤマ・ニヤマを単なる知識としてではなく、日々の選択の中で実践できるように意識していきたいと思います。
2. 努力しすぎず、でも怠らない – アーサナの練習の質を高める
『ヨガの樹』では、ヨガの成長には「努力・気づき・喜び」のプロセスがあると書かれています。特に、「努力」の段階で力みすぎることが、ヨガの本質から遠ざかることにつながると感じました。また同時に心地よさだけを追求してもそれもヨガの本質からは遠ざかってしまうとも感じました。
• ポーズを「完成させる」ことにとらわれず、「今どんな感覚があるか」を観察する。
• 身体の各部分がどう働いているか、どこに力を入れ、どこをリラックスさせるべきかを丁寧に探る。
• 練習を「義務」ではなく、「探求」として楽しむ。
努力しすぎて緊張したり、逆に怠けてしまったりせず、適切な努力と気づきを持ち続けることを意識していきます。
3. 呼吸を通じて、体と心をつなぐ – プラーナーヤーマを習慣にする
本書を読んで、呼吸のコントロール(プラーナーヤーマ)が、ヨガの成長において重要な要素であることを再認識しました。これまでは、アーサナに意識が向きすぎていて、呼吸の練習をおろそかにしていた部分がありました。
• ヨガの練習前後に、短い時間でも呼吸法を取り入れる。
• アーサナを取るときに、呼吸の質を意識し、自然に深まるように調整する。
• 日常の中でも、ストレスを感じたときに呼吸に意識を向け、心を落ち着かせる。
呼吸は、体と心をつなぐ架け橋。この意識を持つことで、ヨガの練習だけでなく、日々の過ごし方にも変化が生まれるはずですね。
② これからも繰り返し読んで、再発見し続けること
この本を読み終えた今、強く感じるのは「一度読んだだけでは終わらない」ということです。ヨガの練習を続ける中で、何度も戻ってきて、新しい気づきを得られる本だと思います。
1. 自分の成長とともに、理解が深まる
ヨガの練習を続けると、最初は気づかなかったことが見えてくるものです。例えば、最初に読んだときにはピンとこなかった「プラティヤハーラ(感覚の制御)」の重要性も、練習を重ねるうちに少しずつ理解できるようになりました。
おそらく、今後もヨガの実践が深まるにつれて、「この本のこの部分は、こういうことだったのか!」と再発見する瞬間があるでしょう。そのたびに、また読み返したくなる本です。
2. ヨガの目的を見失わないために
アーサナの上達を目指していると、つい「もっと難しいポーズを取れるようになりたい」と思ってしまうことがあります。でも、『ヨガの樹』に立ち返ると、ヨガの目的は単に柔軟性や筋力を高めることではなく、心と体の調和にあることを思い出せます。
この本を繰り返し読むことで、「何のためにヨガをしているのか?」という問いに対する答えを、常にアップデートしていけるようにしたいと思います。
3. 自分のペースで進むことを忘れないために
本書では、ヨガの成長を「樹」に例えています。樹が育つには時間がかかるように、ヨガの実践もすぐに結果が出るものではありません。
焦らず、比べず、自分のペースで続けることが大切。もし「うまくできない」と感じることがあったら、この本に戻ってきて、ヨガの成長が少しずつ進むものだということを思い出したいと思います。
まとめ
• これから実践していきたいこと
• ヤマ・ニヤマを日常生活に取り入れる。
• ポーズの完成度ではなく、感覚を大切にする。
• 呼吸の質を高め、ヨガの中でも日常生活でも意識する。
• 繰り返し読んで再発見し続けること
• 自分の成長とともに、新しい気づきを得る。
• ヨガの本来の目的を忘れないために読み返す。
• 焦らず、自分のペースで進むことを思い出す。
『ヨガの樹』は、私のヨガの実践に寄り添いながら、何度も読み返したくなる本になりました。これからも、この本とともにヨガを深めていきたいと思います。