
『ヨガの樹』から学ぶ実践のヒント
はじめに
B.K.S.アイアンガーの『ヨガの樹』では、ヨガを一本の樹に例え、その成長の過程を根・幹・枝・葉・花・実という構造で説明しています。これまでの記事では、この比喩の意味やヨガの成長プロセスについて詳しく見てきました。
では、実際のヨガの練習において、私たちはこの知識をどのように活かせるのでしょうか?本記事では、『ヨガの樹』から学べる実践のヒントを紹介し、日々の練習やライフスタイルの中でどのようにヨガを深めていくかについて考えていきます。
① 根を育てる – ヨガの基盤を整える(ヤマ・ニヤマ)
日常生活の中での実践ポイント
ヤマ(禁戒)とニヤマ(勧戒)は、ヨガの根となる倫理的な指針です。これらを意識することで、日々のヨガの実践がより深く、安定したものになります。
• アヒムサ(非暴力) → 自分に対しても優しくする。ポーズがうまくできないとき、自分を責めずに受け入れる。
• サティヤ(正直) → ヨガの練習で無理をしない。自分の身体の状態を正直に観察する。
• サントーシャ(知足) → できる範囲の練習に満足し、比較せず、自分のペースを大切にする。
ヤマ・ニヤマを実生活に取り入れることで、ヨガは単なるエクササイズではなく、ライフスタイル全体へと広がっていきます。
② 幹を強くする – アーサナ(ポーズ)の意識を深める
身体の動きだけでなく、心の状態を観察する
アーサナは、単なる体のポーズではなく、心と体をつなぐためのツールです。ポーズを取るとき、以下のようなポイントを意識すると、より深い気づきを得られます。
• 努力とリラックスのバランスを取る → 余計な力みをなくし、無理なく心地よくポーズを取る。
• 呼吸と動きを連動させる → アーサナを呼吸とともに行うことで、体と心の統一感を高める。
• どこに意識を向けるべきか?を考える → ポーズの中で、どの部分が活性化し、どこがリラックスしているかを観察する。
アーサナを単なる動作ではなく、「体の使い方と心の状態を観察する場」として捉えることで、ヨガの質が大きく変わります。
③ 枝を広げる – 呼吸を意識する(プラーナーヤーマ)
呼吸を意識することがヨガの質を高める
ヨガにおいて、呼吸は「生命エネルギー(プラーナ)」を循環させる重要な役割を持ちます。呼吸を意識することで、ポーズの安定感が増し、心の静けさを得ることができます。
• 日常の中でも呼吸を意識する → ヨガの時間だけでなく、日々の生活の中で呼吸を意識的におこなう。
• どんな呼吸をしているか?→ ポーズを取るとき、どんなボリュームの呼吸をしているか感じる。
• ゆっくりとした呼吸を保つ → ポーズの難易度が上がっても、呼吸を止めずにスムーズに行うことを意識する。
まとめ
1から3を心がけ実践していくことで、もっと先の感覚への進化が進んでいけたらと思います。
日常生活の中で、小さな実践を積み重ねることで、ヨガはより豊かなものになるように。
次回は、『ヨガの樹』を読んでのまとめを紹介します。