「ヨガ・スートラ」第1章第18節

「विरामप्रत्ययाभ्यासपूर्वः संस्कारशेषोऽन्यः।」

【ヴィラーマプラッティヤアビャーサプールヴァハ サンスカーラシェショ’ニャハ】

意味

「もう一つの瞑想(アサンプラジュニャータ・サマーディ)は、停止(ヴィラーマ)の意識を持ち、過去の印象(サンスカーラ)が微かに残る状態から始まる。」

解説

この節では、アサンプラジュニャータ・サマーディ(認識を超えた瞑想)の状態について述べられています。この瞑想は、サンプラジュニャータ・サマーディを超えた深い意識状態であり、次の特徴があります:

1. ヴィラーマ(停止)

心の動きが完全に止まり、すべての欲望や思考が静止した状態。

2. サンスカーラ(印象)

過去の経験や習慣が潜在的に残るが、それに執着しない。

3. 無認識の状態

対象や概念にとらわれることのない、純粋な静寂と解放の境地。

具体的な実践例

1. 深い瞑想の練習

• 呼吸や心の動きを観察し、すべての思考が自然に消えるまで待つ。

• 例:思考が浮かんでも反応せず、ただ静けさを維持する。

2. 過去の印象を手放す練習

• 瞑想中に浮かぶ記憶や感情を「過去の印象」として認識し、それに執着せず手放す。

• 例:「今ここ」に意識を戻すことで、サンスカーラの影響を減少させる。

3. 無の境地を目指す

• 思考や感情が完全に静まり、「何もない」という感覚を受け入れる。

• 例:瞑想中に「無」の感覚に気づき、それを深める。

まとめ

アサンプラジュニャータ・サマーディは、非常に高度な瞑想状態であり、心の完全な静止と解放を目指します。この状態では、すべての概念や欲望を超越し、純粋な意識だけが残ります。