「ヨガ・スートラ」第1章第16節

「तत्परं पुरुषख्यातेर्गुणवैतृष्ण्यम्।」

【タットパラン プルシャキャーテル グナヴァイトリシュニャム】

意味

「さらに高次のヴァイラーギャ(執着の手放し)は、真我(プルシャ)の認識により、物質的性質(グナ)への渇望がなくなることである。」

解説

この節では、執着の手放し(ヴァイラーギャ)のより高次な状態について述べられています。

1. 真我(プルシャ)の認識:

プルシャとは、私たちの本質的な自己、すなわち純粋な意識を指します。これを理解することで、心の迷いや物質的欲望から解放されます。

2. グナへの無渇望:

グナとは、サットヴァ(純質)、ラジャス(動質)、タマス(惰質)の3つの性質を指します。この世界のあらゆる現象はグナで構成されていますが、それへの渇望や執着を超越することが示されています。

具体的な実践例

1. 深い瞑想

• 自分の内面に向き合い、真我(プルシャ)への気づきを得るための瞑想を行う。

• 呼吸や意識を観察し、物質的なものから距離を取る。

2. 物質的価値観の見直し

• 日常の中で物質的な欲望や執着に気づき、それが本当に必要なものか内省する。

• 例:物を得る喜びよりも、心の平静を優先する選択を意識する。

3. 自然との調和

• 自然の中で時間を過ごし、物質的なものから解放されたシンプルな生活の重要性を実感する。

• 例:散歩中に自然を観察し、自分と世界との一体感を感じる。

まとめ

この節は、精神的な解放を追求する上で重要なステップを教えています。物質的な欲望から離れ、真の自己を知ることで、心は完全な自由と平和を得ることができます。