「दृष्टानुश्रविकविषयवितृष्णस्य वशीकारसञ्ज्ञा वैराग्यम्।」
【ドリシュターヌシュラヴィカヴィシャヤヴィトリシュナスヤ ヴァシーカーラサンジュニャー ヴァイラーギャム】
意味
「見たものや聞いたもの(経験した対象)への渇望がなくなり、心が完全に制御された状態、これがヴァイラーギャ(執着の手放し)である。」
解説
この節では、「ヴァイラーギャ」(執着の手放し)の深い意味が示されています。
執着を手放すとは、感覚的な対象(視覚的・聴覚的な欲望)への渇望が消え去り、心が静かで調和の取れた状態を指します。ただ単に欲望を抑えるのではなく、自然に欲望が湧かなくなることを理想としています。
ヴァイラーギャの特徴
1. 感覚的な欲望の超越:目に見えるもの、耳に聞こえるものへの執着を手放す。
2. 完全な心の制御:心が物事に振り回されず、安定した静寂を保つ。
3. 内なる平和:欲望に左右されない状態から得られる内的な自由と平和。
具体的な実践例
1. 瞑想
• 心に浮かぶ欲望や執着を観察し、それを優しく手放す練習を行う。
• 例:何か欲しい物が浮かんだら、「本当に必要か?」と問いかけ、冷静に観察する。
2. 感謝の練習
• 日常で手に入らないものに執着するのではなく、すでに持っているものに感謝を向ける。
• 例:日記に「今日感謝したいこと」を書き出す。
3. マインドフルネス
• 現在の瞬間に集中し、過去や未来に関する欲望や不安から解放される練習を行う。
• 例:歩いている時に足の感覚や風の音に意識を向ける。
この教えは、ヨガの実践だけでなく、現代社会でのストレス軽減や幸福感を高めるためにも有効です。執着を手放すことで、心の自由と真の平和を得ることができるのです。